ともいきエッセー

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ともいきエッセー vol.40

「おい、死んだらどうなる?」

前々回のこの欄で「この世ばかりの生ではない」ということを書いたが、まさにそのことを現実にすることが身近で起こった。
 「死んだら終わり、せいぜいこの世を楽しんで生きなきゃ」と言っていた友人がガンの宣告を受けた。手術を受けると言う。落ち込み、悩んだ末に電話をかけてきた。
「おい、死んだらどうなるんだ?来世は本当にあるのか?」と。小生、少々意地悪く、「あれっ、死んだら終わりって言ってたじゃん」と言ってやったら、「バカ、それは元気なときに言うことだ」と友人。
 現金なものだと思いながらも、団塊の世代である我々には死が近づいていることは確かだ。知人でも何人かが亡くなっている。
 人間、死が近づいてくると3つの執着心が起るという。一つは、親族や財産にたいする執着心。二つには、まだ死にたくないという自分の身体への執着心。三つには、死んだらどうなるのだろうという不安。友人は、まさにこの三つ目の不安に陥っているのだ。「何を今さら」と思うが、現代の人は自分の死について考えなさすぎる。そして死が目前になって慌てるのだ。死はいつ自分に襲ってくるかわからない。もっと死について考えなければならないだろう。
近々、友人のお見舞いに行くから、「さんざんこの世で楽しんだのだから、来世は苦しいところじゃないかなぁ」とでも言ってやろうか(笑)。

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