ともいきエッセー

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ともいきエッセー vol.44

「喪中ハガキ」

 あと10日もすれば新年。子どものころはお正月も楽しみだったが、すでに老境に入った身には、あと何回正月が迎えられるだろうかなどと考えてしまう。
 知人からの喪中ハガキも多くなった。今年の年賀状を見ながら、「あれ、○○の家は喪中か。誰が亡くなったんだっけ?」などと、喪中ハガキをあらためて見直し、「へぇー、あいつのお母さん、亡くなったんだ」などと感慨に耽ってしまい、なかなか筆が進まなくなる。学生時代はよく遊びに行き、ずいぶんと世話になったが、遠距離と仕事などでここ数十年は年賀状のやりとりだけになっていた。「ああ、あのお母さんも亡くなったか。一度会っておきたかったな」と在りし日の友人のお母さんの姿が瞼に浮かんでくる。一枚一枚の喪中ハガキを見ながら、それぞれの思い出に浸ってしまう。
 歳を重ねるごとに多くの死と向き合うことが多くなる。わかりきったことではあるが、やはり悲しい。そんなことを思うと、「一期一会」ではないが、その時々に会う人たちとの時間を大切に充実した時にしなければ、と強く思うのだが......。(J)

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