ともいきエッセー

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vol.84 「若者の事件に想う」

 世は、サッカーの日本代表がワールドカップで16強入りしたことで大騒ぎ。

 その一方で、若者による凶悪事件が続いている。新潟での、少女を殺害して線路に放置した事件。新幹線での殺傷事件。富山での交番襲撃事件。犠牲となった人とは、何の関係もない犯人が、突然凶器をもって襲ってくる。防ぐのは難しいことだ。怖い社会になったものだとつくづく思う。

 しかし、いったい、なぜこんなことが起きるのだろう。かつて「自分では死ねないから死刑になりたかった」と言って殺人事件を起こした若者もいた。新幹線での犯人は、「誰でもよかった。むしゃくしゃしてやった」というような動機を語ったという。どちらも似ている。自棄になっているような感じだ。

 こうした思いはどこから出てくるのか。原因は、いずれ専門家がしっかり調べて答えをだしてくれると思う。しかし、私には、いまの社会の在り方、家庭の在り方などすべてが関係していると思えてならない。もちろん、精神的疾患も考えられるだろう。

 人と人との関係性が薄れ、孤独な生き方をしている人が大勢いる現代社会だからこそ、生き方に悩み苦しむ人が増えているのではないか。特に若者にはその苦悩は大きいだろう。どう生きていったらいいのか、などと考えたら、明るい未来を描けない社会でもある。犯罪を肯定はしないが、その背景には現代社会の問題点が多く隠されているのではないか、と思えてならない。

 「ともいき」の精神とはまるで逆だ。もっと人との関係性を大切にする社会にするために、私たちは何ができるか、社会の構成員の一人として考えたい。

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