ともいきエッセー

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ともいきエッセー vol.6

「袖山理事長退任」

「浄土宗ともいき財団」の理事長・袖山榮眞師が6月4日に退任された。心から尊敬する師のひとりである。師が平成7年に浄土宗教学局長に就いてから今日まで、浄土宗の職員であった私は、杯を重ねながら多くの教えを受けた。浄土教ばかりではなく、仏教全般にも造詣が深く、さらには都立大学で英文学の教授をされていた。
当初、物静かで思慮深く、読書が趣味という人と思っていたが、ある時、新幹線で京都から東京までマンガ「じゃりんこチエ」の話を楽しそうに話された。それを聞きながら「先生はマンガまで読んでいるのか。いったい、どんな脳をしているんだろう」と、人間そのものに興味をもたされたことを今でもはっきり覚えている。そればかりか、杯を重ねながらの話しで、「坊さんは、いつも変なことを言っていればいいんだよ」と。「えっ?」という顔をしていると、「世の中が乱れた時、『そういえば、あの坊さんはいつも変なことを言っていたけど、たまには話しを聞いてみるか』ってなる」と。世の中が同じ価値観でうまくいっている間でも、僧侶は、ただ単に世の中に迎合しているだけではだめで、宗教に根ざした異なった価値観や生き方を説き示しておく必要があるということだ。「なるほど!」と。また、話しの中で解らないことがあると、後日、こっちはすっかり忘れているのに、「あの時のアレはねぇ」と調べてきて教えてくれるのである。色々なことが走馬灯のように思い出されてくる。
80歳となって、さすがに身体もあちこち傷んできたようだ。理事長退任の意思は固かった。今後は理事として協力いただくが、どうやら禁酒をしたらしい。

※正式なご案内は、新しい理事長の就任が決定後に、退任の件を併せてホームページ等でお知らせいたします。

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