ともいきエッセー

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ともいきエッセー vol.16

「ともいきのこころを」

 去る11月13日に起きたフランス・パリの同時多発テロは、世界中に大きな衝撃をあたえた。東西冷戦が終わって平和な世界が実現されるかと思ったが、一方で民族紛争やテロが世界各地で発生、多くの犠牲者・難民を生み出している。民族主義・国家主義・差別・格差、そして宗教、原因はいろいろ言われてきたが、一向に解決する見込みはなく、紛争は広がり続けている。
 どちらが善でどちらが悪だなどとは言いたくない。どちらにもそれなりの理由があるのだろう。しかし、ただ一つ悪だと言えることは、思いを暴力で示すことだ。お釈迦さまは、「すべての者は暴力におびえる。すべての(生きもの)にとって生命は愛しい。己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ(『ダンマパ』130 中村元訳)」と言っている。この思いは人類に共通の思いだろう。しかし、2千数百年前のこの教えが未だに人々の心に理解されていない。人間とは、なんと愚かな生き物なんだろう、と哀しくなってくる。
 暴力には双方に憎しみ・怨みが生まれてくる。報復の連鎖だ。お釈迦さまはもう一つ大切なことを言っている。「実にこの世においては、怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みのやむことはない。怨みをすててこそやむ。これは永遠の真実である(同上3」と。
 現代は1国だけで生きていくことはできない。各国が密接に関係しながら生きている。それだけに文化の違い、価値観の違いが表面化してくる。それを自分の文化や価値観が正しいと拒絶せず、たがいに尊敬し認め合う。これこそが「ともいき」のこころだ。
 今こそ「ともいき」のこころを世界に訴えていきたい。 
報復の連鎖については、次回にも法然上人に関連して記す。(J)

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