ともいきエッセー

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ともいきエッセー vol.25

「人間とは愚かな生き物」

「桜の開花が全国各地から聞こえるようになってきた。桜の花の満開の下、そこここで花見の宴が開かれるだろう。花に酔い、酒に酔い、人々と楽しくひとときを過ごす。日本は平和だ」という、少々のん気な文章で今回のエッセーを書き出し、花見での失敗談を書こうかと考えていたら、3月22日、ベルギー・ブリュッセルで連続テロが発生、多くの死傷者がでた。昨年、11月13日に起きたフランス・パリの同時多発テロから僅か4ヶ月後の惨事だ。なんともやりきれない気持ちになる。日本でも、いつこのようなことが起きるか分かったものではない。
「なぜ、そんなことをするんだ?」とテロリストに訊いたところで、彼らには彼らの理由があるのだろう。詳しいことは解らないから、とやかく言いたくはないが、「暴力は悪である」とだけは言いたい。この言葉だって、お釈迦さまが2500年も前に言っている言葉だ。パリの同時多発テロのときにもこのことは記した。
人間は、さまざまな物を創ってきた。そのおかげで暮らしも便利になり豊かになった。しかし、同時に人を殺す武器も造ってきた。なぜだろうと思う。武器さえなければ、せいぜい殴りあいのケンカですむものを、と。考えてみれば、人間は太古から争ってきた。遺跡から出土する人骨には槍や矢で傷を負ったあとを見ることができる。槍、弓、銃、大砲、爆弾、ミサイル、そして核・・・。よほど争うことが好きなのか。理性は闘争心に負けてしまうのか。人々と仲良く、平和に暮らすことは万人の願いだ。テロリストの一人ひとりだって平和を願っているだろう。だのに、なぜ?
つくづく人間とは愚かな生き物だと思う。まさに、「浄土宗21世紀劈頭宣言」にいう"愚者の自覚を"である。と言いつつ、また、この愚かさが、どうしようもなく、人間をかわいいものにしているのでもあるが・・・。(J)

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