ともいきエッセー

一覧へ

ともいきエッセー vol.27

「千葉市・カソリ貝塚に行って」

 熊本地震は以前と余震が続き、気象庁もまだ大きな揺れがくる可能性があると。被災地の方々の不安な日々を想うと、やりきれない思いになる。十分に注意をして、これ以上の被害をださないように祈るばかりだ。
 この発災の数日前、千葉市のカソリ貝塚に行った。カソリ貝塚は縄文中期から後期の遺跡で、博物館の展示品の土器や土偶も興味深い。
 千葉県の東京湾沿いには縄文時代の遺跡が数多くある。反対の神奈川県沿いには少ない。当時の地勢などを見てもさして変わらないのに、なぜ、千葉県側に多いのか。どんな条件の違いがあったのだろう?出土品なども、各地から伝わって来ている物もあり、その影響などが見てとれる。鏃(やじり)などに使われている黒曜石は伊豆七島の神津島から渡ってきている。どんな舟で渡ってきたのか。貝塚や住居の発掘跡、復元された竪穴式住居を見ながら、考えてしまう。こうした遺跡を見学していると、なぜ、どうして、どうやって、ということが次から次へと湧いてくる。そして、日々どんなことを思いながら暮らしていたのだろうか、と。
 が、一点気がかりなのは、そうした不思議ではなく、カソリ貝塚にある博物館やその他の施設についてだ。入場料が無料なのはいいが、それらの施設があまり良く手入れされていないのが気になった。千葉市の税金で管理されているのだろうが、見るからにほったらかしにされているように見える。ここを訪れる人がよほど少なく、税金をこの施設にかけるだけの価値がないのか。いや、そんなことはないと思う。当日も、小学校の先生たちが来て施設の担当者に何か訊いていた。遠足か何かで見学に来る下調べだろうか。小・中・高の生徒たちが見れば、その年齢によって、日本の古代に対する興味も、地域における誇りも生まれてくるだろう。
 入場料を取るのが難しいなら、募金箱でも設置するなどして保全に勤められないだろうか。日本人の過去を知る大切な記録なのだから。(J)

  • 助成金
  • ともいき財団Twitter
  • 浄土宝暦
  • 活動レポート
  • ともいきエッセー

このページのトップへ