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ともいきエッセー

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vol.64「秋彼岸、ご先祖を想い、私を省みる」

 秋めいてきた。日中の暑さは残っているものの、朝晩はひんやりとして、布団も夏掛けでは寒さも感じるようになった。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったものだ。

 彼岸には、お線香と花を持ってご先祖のお墓詣りに行かれる方も多いだろう。

 お墓に手を合わせる人たちを見ながら、この人たちは何を祈っているのだろう、と考えたことがある。ご先祖に今の暮らしを報告する、今ある命を感謝する、平和を願う、家族の健康を願う等々、人それぞれに祈りや願い、そして感謝することもそれぞれだろう。

 こうしたことを考えながら、ふと気が付いたことがある。ご先祖に感謝できる人は幸せだ、と。不平不満の多い世の中、思うようにいかない暮らしのなかに、それでもいくばくかの満足を感じ、そうできていることをご先祖に感謝できる。幸せだと思う。

 人間、欲をかいてもきりがない。わが身を省み、どこかで妥協することが幸せへの道である。ご先祖に感謝する人はそれができているのだと思う。

 明日は彼岸の中日、わが身を振り返り、感謝できることを探してみよう。たくさんあるはずだ。

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