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ともいきエッセー

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vol.81「宗教者こそ言うべき」

 この浄土宗ともいき財団は、「ともいき社会」の実現を大きな目標として活動している。

 前回、「ともいき社会」を創るには、自分を見直し、相手の立場になって考えることが必要だと記した。しかし、現実の社会はどうだろうか。ますますこうしたことから離れ、自己中心的な社会になっていないだろうか。

 先般、知人の新聞記者と一杯やりながら、最近の社会について話した。彼はいまの社会状況を、「快適さや便利さ、楽しみを是とする文化が、人々の欲望を満たすこと、快適さを追求していくことが善であるというような思い込みを生んでしまったのではないか。そしてこういう考え方が数十年、この社会を支配している」と、深いため息を吐きながら言った。私は、それを聞いて「よく言うよ。メディアがそういうことを助長してきたんじゃないの」と言ってやった。新聞・雑誌、テレビコマーシャルなどを見れば、欲望を煽るような広告、や記事、番組が溢れていて、しっかり考えなければ、すぐに乗せられてしまう。「経済至上主義のような現代社会では仕方のないことなのかもしれないが、そうした欲望の追及がもたらす影響にも、メディアはもう少し考えてもいいのではないか」と私が言うと、彼は、「こうした社会から一歩離れた宗教者こそ、それを言うべきだよ」と逆襲をくらってしまった。ギャフン。

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