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ともいきエッセー

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vol.83「善悪の価値観消えた社会」

 前回、「閻魔さまに舌を抜かれちゃうよ」という題で、嘘をつくことについて記した。

 その続きというか、現代社会の風潮について感じることをちょっと書きたい。

 これまでに何度か、この社会が「真綿で首を絞めつけられているような」とか「人が信頼できない殺伐とした」と表現したことがある。なぜなんだろう、といつも考えているが、先日知人と話していて、社会全体の価値観が「善悪」から「損得」に変わってしまったのではないか、という結論に至った。

 企業によるデータの改ざん、官僚によるデータや書類の改ざん、ブラック企業、おれおれ詐欺などなど、社会のいたるところに「善悪」の価値観では考えられない別の価値観があるように思える。知人は、それを自分さえ良ければ、自分が得をすればいい、という個人主義の行き過ぎと言う。私は、それを個人主義の行き過ぎではなく利己主義と思ったが、それは言わなかった。確かに個人主義の行き過ぎとも思えるからだ。敗戦から70数年、爾来、日本は民主主義や自由主義・個人主義を受け入れてきた。しかし、これらの主義を、日本人がどのように解釈してきたのかが今の社会ではないか。これは戦前がいいというのではない。これらの主義を、国民が真剣に考えてきたのか、ということだ。もちろんメディアの影響も大きいだろう。

 一時期、「自己中」という言葉がはやったが、それは問題があるという否定的なことと捉えられていたが、この言葉が消えた今は、それが当たり前のこととなってしまったような気がしてならない。

 今一度、私の考え方や、思いを見直してみる必要があるのではないか。様々な出来事に理屈をこねるのではなく、「ならぬことはならぬ!」と叫んでみたい。

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