ともいきエッセー

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vol.93 「読者をバカにするな」

 以前にも書いたことがあるが、秋の夜長を読書に親しむことは、私にとって至福の時間だ。と言っても、読書が趣味なのだから、なにも秋の夜長だけに本を読んでいるわけではない。暇があれば読んでいるのだが、秋の夜はなにか雰囲気として読書にむいているような気がする。それも小説を読むのがいい。しっとりとした静けさに身を包まれながら時の経つのも忘れて読みふける。しみじみとした何とも言えない時間だ。

 しかし、こうした夜に解説書や学術書を読むのはイヤだ。近年、特に思っていることだが、文章の中にやたらとカタカナで書かれた外国語が入っているからだ。書いている人は理解しているのだろうが、読む人が理解できると思って書いているのだろうか、と腹が立ってくる。それもカギとなる重要な用語に使われていることが多い。学会などの専門家が日常使っている言葉なのだろうが、それを誰にでもわかるような日本語にしないで、そのまま使う。いったい、誰に読ませようとして書いているんだ、読者をバカにするなと言いたくなってくる。いや、著者がその言葉を日本語としてきちんと理解しているのかさえも疑いたくなってくる。こうした言葉にぶつかると、読み進めるのがイヤになってくる。著者にはもう少し、読者のことを考えてほしい。

 こうしたカタカナにされた外国語を使うのは、日常会話の中にも増えている。それをカッコいいと思って使っているのか、または学があるのを見せたいのかは分からないが、しかし、そのカタカナで言われている言葉を、そのカタカナ語を母語として使っている人々に話しても、ほとんどは通じない。発音が違うからだ。

 こんなことでいいんだろうか・

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