ともいきエッセー

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vol.100 「100回目、意を新たに。しかし......」

 ナント! この「ともいきエッセー」が今回で100回目となった。平成27年4月10日が第1回目だった。〝よくもまぁ、続けてこられたものだ″と思う。

 初回を見ると、「これから2週に1度の割合で、『ともいき』を腹に世の事象を記していきたい。よろしく」と書いている。しかし、これまでに書いたものを読み直してみると、果たして「ともいき」が腹にあったかどうか迷う内容や、趣味や興味に陥っている内容も散見できる。また、気が乗っていないような内容のものもある。きっと、書く題材に困っていたときのものであろう。

世の事象を、「ともに生きる」という仏教的な視点をもって見、感じたことを書いているつもりではあるが、空しさを感じることも、また多い。それは、現代人の心の持ち方だ。どうも、善悪・良し悪しの価値観より損得の価値観が勝っているように思えてならない。経済優先の社会の在り方が、人をしてそうせしめていると思うのだが、それに異を唱えても、「理想と現実は違う」のひと言で片付けられてしまう。経済はたしかに大切だが、行き過ぎた欲望の虜になっていたら、そこから導き出されるのは「餓鬼と修羅の世界」だけで、人々の「ともいき」などあったものではなくなる。やさしさ、思いやり、献身、正義感、共感力、そして寛容の精神など、日本人が持っている情緒が希薄となり、世の中はますますそんな世界に向かっているように見える。

いっそのこと、行きつくところまで行ってしまえ、と思う時もある。

しかし、それではこの「ともいき財団」が目標としている「ともいき社会の実現」を放棄してしまうことになる。わずかな力でも、人々の「気づき」となるようなことを書いていきたいと、この〝100回目を機に意を新たに″なんて偉そうなことを思ってはみるが、実際、この先どんなことを書いていくか皆目見当がつかない。世を見れば腹の立つことばかりなのである。

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