ともいきエッセー

一覧へ

vol.113 人間の愚かさを知ろう

 昨日の終戦記念日に合わせ、その数週間前からメディアなどでは、戦争に関係する様々な記録や行事などを伝えていた。その大多数は、原子爆弾や空襲による悲惨さを語り継ぐさまざまな行事だ。毎年のことだ。戦争はこういう悲惨なことを起こすから戦争を起こしてはいけない、という体験者の言葉。大切なことで、忘れてはならないことだと思う。

 しかし、毎年、こうした報道を見るたびに違和感を覚えることがある。

 それは、日本が戦争を始め、連戦連勝をしていたころ、今この悲惨さを訴えている人たちは戦争をどう思っていたか、ということ。今は亡き母の言葉を借りれば、「日本が負けるなんて思ってもいなかった。アメリカをやっつけるために大和魂で戦いぬく」だ。新聞に華々しい戦果が出るたびに家族や町内で喜び合ったという。しかし、その陰で悲惨なめにあっていた敵国や戦地の人々のことに思い至ることはなかった、と。そこには、敗戦間際の日本と同じように家族や友人を亡くし、辛い生活を強いられていた人々がいたのだ。

 ここが人間の愚かさだと思う。勝っている時は調子にのってしまう。相手の苦痛などには思いも寄せない。そしてこれは戦争だけでない。現在もそうしたことは人間の日々の生活の中にもいっぱいある。この愚かさこそ諍いを起こす元なのだ。メディアはこうした人間の愚かさをこそ、もっともっと報道してほしい。

 母はごくごく普通の日本人だ。日本が勝つと信じていたという。終戦間際には、米軍機に機銃掃射を受け、どぶ川に飛び込んだり、爆撃による多くの死者も見た。そして、「戦争はいけないよ」と、終戦記念日がくるたびに言っていた。

  • 助成金
  • ともいき財団Twitter
  • 浄土宝暦
  • 活動レポート
  • ともいきエッセー

このページのトップへ