ともいきエッセー

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vol 129「寺離れではなく僧侶の社会離れ」

 「ともいき財団」では、毎年浄土宗寺院・僧侶が中心となって行う社会貢献事業に助成金を出している。年々その申請者が増え助成金の確保に苦心しているが、その申請書を見ると、多くの寺院が「寺離れが進む今日......」、「寺院は敷居が高いと言われている今日......」と書いている。そこで、寺への参拝者が減り続けている現状を打開するため、檀信徒ばかりではなく地域の人々を対象としたさまざまな企画をたて、人々に寺を開放し集まっていただこうというわけだ。「来るのを待っていてはダメだ!」と、いま多くの寺院僧侶が気づき、何かを始めようとしている。すばらしいことだと思う。

 ところが先日、大正大学出版会が発行している『地域寺院』という小冊子を見ていて〝ドキッ″とさせられた。それは3月特集号で、1カ寺ではできなくても志がある僧侶たちが集まればできるという特集。その中に「ソーシャルテンプル」という山梨県の超宗派で活動している団体の代表の話が載っていた。そこに「寺の関係者はよく、寺離れが問題だといいます。でも、そうではなく僧侶の社会離れこそが問題ではないでしょうか。......」と。

 言われてみれば、たしかにそうかもしれない。葬儀や法事をはじめとした宗教行事は、檀信徒からの、言ってみれば〝待ち″という受け身の姿勢であった。そうしたことが時と共に〝寺院の敷居を高く″し、寺離れへとつながったのではないか。

 そうした反省からか、いま僧侶たちは檀信徒のみならず地域の人々も参加できる行事を盛んに始めている。社会への〝攻め″に出ているのだ。それも若い僧侶が多い。そうした活動が人々に寺院の見方を変え、寺院がまちを拓くことにもつながっている。こうした僧侶たちの活動が各地にもっと広がっていって、人々から「やっぱりお坊さん、いいね!」と言われるようになってほしい。

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