ともいきエッセー

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vol 140「ならぬことはならぬものです」

 ちょっと前に、女子プロレスの女性が、出演しているテレビ番組での発言に視聴者からSNSを使った様々な誹謗・中傷などの嫌がらせを受けて、自ら命を絶ったというニュースが話題となった。そして、国会でもこうした誹謗・中傷のメールに対して制限を加えるとか発信者が分かるようにするとか話し合われている。

 しかし、こうした誹謗・中傷によって命を絶った事例は、子どものいじめをはじめこの数十年間でも多くみられる。そして今、いい年をした大人までもがやっている。

 なぜ、こんなことが......、と言って、命の大切さや、無責任な誹謗・中傷はやめようと教えても、SNSを使った誹謗・中傷は一向になくならならず、ますますエスカレートしているのが現状だ。

 やはり、現代の教育はどこかおかしい、と考えながら、ふと昔の会津藩で子どもに教えていた「什の掟」を思い出した。NHKの大河ドラマでやっていた「八重の桜」で見て感動し調べたものだ。

 八つの掟が示されている。この内の三・四・五と八番がいい。「虚言をいふ事はなりませぬ」、「卑怯な振舞をしてはなりませぬ」、「弱いものをいぢめてはなりませぬ」、そして八番目に「ならぬことはならぬものです」だ。

 どれも当たり前の教えで、掟として出さないまでも、昔の親ならだれもが子育ての段階で言っていて、子どももそうした教えを受けていた。しかし今、こうしたことが家庭の中で行われているだろうか。「卑怯な振舞をしてはなりませぬ」の卑怯という言葉も、近年とんと聞いたことがない。嘘をついてはならない、卑怯なことはしてはならない、弱いものいじめはしてはならない。人間として基本的な教えが、今、家庭の中でおろそかにされされているのではないか。

 誹謗・中傷をする人もそうだし、また、この見本のようなものが国会中継でアタフタする官僚を見ているとよく分かる。

 「ならぬことはならぬものです」なのだ。

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