ともいきエッセー

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vol 142 『「ともいき」の第一歩』

 現在進行中のコロナ禍は、人々の生活をはじめ、社会にも大きな影響を与えている。

 その中で、僕が特に気になっているのが、家族へ与えている影響だ。自粛生活によって家族が顔を合わせている時間が増え、家族の絆が深まったという家庭、また逆に、家族の崩壊が起きた家庭。コロナ離婚という言葉も生まれた。

 「ともいき」を標榜する当財団の一員として、これは見過ごせないと思う。家族についてはここ数年「ともいきフォーラム」を開いて、現代家族の変化を見てきた。

 では、絆が深まった家庭と、崩壊が起きた家庭には、どんな違いがあるのか。

 一つは会話だ。家族が集まった時に夫婦・親子がどれだけ会話をしているかだ。これは絆が深まったという友人の家庭の話だが、食事などの時、その日のニュースを話題にしたという。アベノマスクの話、10万円支給の話、世界のコロナ状況の話......。それらに対して妻は、息子は、娘はどう思っているかを訊き、そして最後に自分の思っていることを話したという。

 「みんな、けっこういろんな考えを持っていることに驚いたよ」と友人は言った。そして、何よりも良かったと思う話が「自分がコロナウイルスに感染したらどうする?」という話だったそうだ。父親が、母親が、子どもたちが感染したら、自分はどうするかを、それぞれの立場で考え話し合ったという。軽症・重篤・重体・死亡、それぞれの状態に陥ったときを想像して話したと。その結果、何事もない日常の中では考えたこともなく、また、当たり前だと思っていた、家族のひとり一人が自分にとってかけがいのない大切な人たちだということに改めて気が付くとともに、自分の死を考えたときに生きていることの大切さが分かったという。

 いい話を聞いた。そして思った。この自分以外の他者の思いや考えを認め合い、そして思い合うことこそ、「ともいき」の第一歩ではないだろうか。

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