ともいきエッセー

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vol 146 「すべては繋がっている」

 友人から聞いた話。ある日ハーバード大学の授業で、教壇の机の上にリンゴが一つ置かれていた。ここで教授から出題された質問は、「リンゴが机の上に置かれるまでのすべての条件を書け」というものだった。この質問に答えるためには、先ず机が木製だから机が出来るまでの由来を答えなければならない。木を伐り、製材して机に加工する。いや、これでは足りない。木が育つための土、水、日光も必要だ。いやいやこれでもまだ足りない。切り倒した木を運ぶトラックや運転する人も必要になる。そして加工された木を組み立てる人や組み立てられた机をこの教室まで運ぶ人も必要になる。

 では、リンゴは? 机と同じようにリンゴの木が育つための木、水、日光をはじめ、花の剪定や収穫する人、運ぶ人......。机と同じようにさまざまな物、人が関係している。運ぶためのトラックがどうして出来ているかまで探っていったら、それこそ。一つの物が目の前に現れるまでに、収集がつかなくなるほど多くの物・事・人が係わっていることが知れる。

 この質問は「縁」を教えることだったという。何気なく、当たり前だと思っている日常生活の中にも、ちょっと考えてみれば、どれだけ多くの物や人が関係しているかを知ることが出来る、と。

 いま、世界をはじめ日本もコロナ禍で大変だ。自粛をすれば経済が成り立たず、解除をすれば感染が拡大する。政府も人々もアタフタアタフタ。いったいこの先どうなるんだろうかと心配と不安の日々を過ごしている。こうした日々の中、ちょっと視点を変えて自粛生活や政治家の一言が自分自身や社会にどのような影響を与えているかを考えてみるのも、世の中の関係性を知る上でも大切なことだと思う。

 すべては繋がっているのだ。もちろん人間も。

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