ともいきエッセー

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vol.147 「3密のお盆、今年だけになってほしい」

 あと1週間もすればお盆。従来なら故郷の実家へ帰省する人々の大移動が始まる。しかし、今年は様相が違う。新型コロナウイルスの感染拡大だ。一時期おさまりかけていたものが、ここにきて再び感染が拡がっている。それも全国各地に急速に。

 政府はGO TOトラベルで人々に旅行に出かけるように推奨しているが、お盆の帰省は3密を避けるよう、言ってみればあまり出かけるなと。また帰省を迎える地方も、感染が拡大している都市からの帰省はあまり歓迎していない。どうすればいいのか困ったものだ。

 困っているのは、お盆の棚経をする僧侶も同じ。各檀家の家を廻っていいのかいけないのか。檀家の考えもさまざま。毎年のことだからきてほしい、という人もいれば、今年は見合わせよう、という人もいる。寺院は、檀家の各家に連絡して希望を聞いているが、これは地方の感染度によっても違いがある。春から夏にかけての寺院の年中行事を中止した寺院も多い。

 こうしたことは、今年だけになってほしい。お盆休みに地方の実家へ帰り、家族がそろってお墓参りをしたり、親しい人と会ったり、また、地方ならではのさまざまな行事や祭り。人間が人間らしく、顔を寄せ合い、肌を寄せ合って楽しい時間を共有する。これが人間本来の生き方だ。

 しかし、今はこれができない。人々は3密を避けるため、バラバラになりかけている。政府もテレビなどのコメンテーターもさかんに3密は避けるように言う。しかし、そうした人々のなかから、これは人間本来の生き方ではない、という言葉は聞いたことがない。感染拡大防止のためだからしようがないのかもしれない。でも、人間のこんな生き方は今だけだと言ってほしい。こんな状態は人間を壊すだけだ。

 この3密がコロナ禍が終わっても、こんな生活もいいね、なんてならないように願うばかりだ。

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