ともいきエッセー

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vol 150「日々の出来事に反応減退」

 もう9月。コロナの感染が社会的な問題となり始めた春先からこれまで、ほとんど自宅に閉じこもっていた僕には、季節の変化は寒さから暑さの変化くらいしか記憶にない。木々の色づき、野山に咲く花や、街行く人々の服装の変化等々、ほとんど記憶に残っていない。友人知人とも会っていないから、彼らの消息も電話で知るくらいだった。

 では、閉じこもって何をしていたかといえば、テレビのワイドショーでコロナの情報を見ながらうたた寝(毎日同じような内容なのですぐに飽きてしまった)、目を覚ましたら読書(最近これにもすぐに疲れてまた眠てしまう)。こうした間をついて、この財団の職員たちと毎日のオンライン連絡会。職員の1人は、この連絡会を「生存確認」と言ったが、70歳を過ぎた僕にはまさに時宜を得た言葉だった。それから、この「ともいきエッセー」の執筆。自粛生活の初めには、それに対する人々の在り方や、政府の政策に文句もあったが、そんなことにも「言ってもせんないこと」と、半ば諦め気分になっている。日々の出来事や生活に対する反応があきらかに減退していると思える。皆さんはどうなんだろう、特に僕と同じような年代の人々はどう過ごしているのか。

 と、だらだら僕のコロナ禍期間の過ごし方を記しながら、何か心が楽しく、笑えるようなことはないかと考えていて、ふと思い出すことがあった。自粛生活を生真面目に守る友人老夫婦、自粛宣言が出された翌日、買い物に出れば多くの人に接触しなければならないからと、インスタント、レトルト食品の買いだめをした。「これだけ買っておけば1か月は持つ」と、買った食品の山を自慢げにスマホで見せてきた。ところが2週間もしたころ、「毎日似たようなものばかり食べていたら太るし、それにもうこんなものうんざりして見るのもイヤになった」と、生鮮食料品のリストを僕に送ってきて「買ってきてくれ」と。「アホ、そんなこと分かりきったことだろ」と言ってやったが、妻と我が家の買い物のついでに頼まれたものを買い、届けると、感謝の言葉とともに、買いだめした残りの食品をお土産にくれた。

 それを見た妻の一言。「あなたの友達って、ほんとに変わった人が多いのね」だって。

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