ともいきエッセー

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vol 153「共助とは何ですか」

 9月28日、著名人の自殺が相次いだことで、記者から政府の自殺対策を問われた加藤官房長官が、最近の自殺者の増加にふれ、「特に孤立することがないよう、地域共生社会の実現につながりますが、温かく寄り添いながら見守っていただけるような社会を一緒に構築していただきたい」と述べ、続けて「周辺の方が気づけば相談窓口の活用を勧めるなど、それぞれが自殺のない社会を作っていただけるようにお願いしたい」と言った。

 これに対して「政治家自ら対策を考えるべきです。お願いするのはおかしな話」、「相談窓口設置すれば自殺が止まるわけじゃありません。自殺しなくてすむような公助が必須だよ」、相談窓口の設置は大切だけど根本ではない。こちらからも、おっしゃるような社会を作っていただけるようにお願いします」などという意見が寄せられ波紋を呼んでいるという。

 この意見を読みながら、ちょっとおかしいんじゃないの、と思った。なぜ、長官が言っているような共助の話がなくて公助を求めるの、と。

 人との付き合いは煩わしい、一人が楽でいいなどと言って、隣近所との付き合いもなくし、一人の生活を楽しむ生活を求めていたのはどこの誰ですか。私たちです。そうした結果、いま人々は孤立し「さみしい」という相談が増加している。東日本大震災など災害が発生する度に人々の「絆」が求められる。しかし、すぐに忘れられ「自分だけ」のことに戻ってしまう。困っている人を見ても、それは国が何とかするべきだと、自分が助けようとはしない。

 今の社会はこんな社会ではないか。自助ではどうすることもできない人々に、援助の手を差し伸べるのは、まず身近にいる人々ではないか。幸福度世界1のブータンでは、「困ったときはどうするの」という問いに、人々は「みんなが助けてくれる」と答えるそうだ。これこそ共助であり、「ともいき」ではないか。

 生きていることの楽しさ・幸せを感じるのは、家族をはじめ周囲の人々との協力や助け合いの中から感じられるのではないか。これが自殺者を減らすもっとも大切なことだと思うのだが。

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