ともいきエッセー

一覧へ

vol161「後悔先に立たず」

 明けましておめでとうございます。本年が皆さまにとって良い年になるよう祈念いたします。
 と、毎年の年賀状に書くような言葉で始めたこのエッセーだが、今年ほど心の底から「良い年になってほしい」と思った年は、これまでに無かったと思う。
 それは、新型コロナウイルスの感染拡大だ。特に昨年の暮れからの急拡大には誰もが「エーッ」て驚いたのではないか。人々の不安も一気に高まっている。政府もこの急拡大を受けて、昨日、東京を中心とした1都3県に緊急事態宣言を発令した。いや、感染が拡がっている他の地域の知事からも緊急事態宣言を要請するという話も出ている。「何を今さら!」と思わないでもないが、宣言を出さないよりは出したほうが人々の意識も変わるからいいのだろう。医療現場ももう限界だと。
 この宣言で〝やりだま″に挙がっているのが飲食業界だ。感染拡大の原因はここにあるらしい。特に若い世代が集まって飲食をするところから感染が拡がっていると。飲食業界の人にしたらたまったものではないだろう。データ的にみればそうかも知れないが、こうした元には、私たち一人ひとりの意識と行動が関係していると思う。政府は昨年の初めから自粛を要請しているが、一方で、旅行や食事に出ることへの援助もした。これは、それぞれの業種への援助で、これで一時的に救われた業種も多かっただろう。しかし、これが原因とは言わないが、感染は拡がった。
 今回の緊急事態宣言では飲食以外の様々な業種への細々とした要請も出されているが、〝時すでに遅し″だと思う。こうした政府の考え方を見ていると、「木を見て森を見ず」ではないが、いま現在、何が一番大切で必要なことなのかを考えているのかと不思議な思いがしてくる。もちろん、経済のことを考えることも大切ではあるが、森全体に木の病気が拡がろうとしている時に、1本1本の木のことを考えて森全体を枯らしてしまったら元も子も無くなってしまうだろう。経済も破綻するだろう。1回目の緊急事態宣言の時にこうした考え方をすれば良かったと思う。そうすれば、影響を受けた経済の立ち直りも早かったのではないか。二兎を追う者は一兎をも得ず、後悔先に立たず、後の祭りだ。これが日本人の体質なのかもしれない。この正月『失敗の本質』を読み直してつくづくと思ってしまう。
 では、どうしたら。こうした事態を、私たち一人ひとりの問題だと考え、意識し行動する以外にはないのではないだろうか。

  • 助成金
  • ともいき財団Twitter
  • 浄土宝暦
  • 活動レポート
  • ともいきエッセー

このページのトップへ