ともいきエッセー

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vol 162 「猫をカワイイという妻、しかし・・・」

 このところ、このエッセーは、新型コロナウイルスの感染拡大のことばかりになっている。それで、時には違った、それも楽しく、またクスッと笑えるようなことはないかと思っているが、なにしろ自粛で家に閉じこもっているのだから、題材となる刺激がない。自然、眼は家の中のことになる。
 先日、風呂から出て、茶の間を通りかかった時、テレビを見ていた妻が、テレビの正面近くに正座して画面に見入っていた。ニコニコしている。何をそんなに楽しそうに見入っているのかと思ったら、猫が何かにじゃれている様子が映し出されていた。〝なんだアホらしい″と思いながら、しばらくその画面を見ていたが、たしかに猫の動きなどがおもしろく、思わず声を出して笑ってしまう。
 近年はペットブームと言われている。そうした現象を受けてかテレビでも犬や猫などのおもしろい動きを放映する番組が増えている。飼い主からのおもしろい投稿動画も多く、視聴率も高いらしい。
 妻もそのひとりだ。猫をカワイイ、カワイイと言って、猫の出るテレビ番組を探しては見ている。しかし、と言って、妻が猫が好きで、飼いたいと思っているかといえば、そうでもないらしい。数年前、猫の番組を見ている妻に、「キャンプで使う椅子を買ってあげるから、それを家の前において座っていれば、イヤというほど猫が見れるよ」と言ったことがある。家の周りには野良猫が数匹いて、家の周りをいつもウロウロしているからだ。しかし、そうした猫に妻は見向きもしない。そればかりか、庭に入ってくる猫を追い出しもするし、また、猫が嫌いな匂いのする顆粒状の薬を庭の周りに撒いたりもする。そのくせ、テレビで猫の番組があるとニコニコしながら「カワイイ、カワイイ」と言って見ている。いったい、妻の頭の中はどうなっているんだろう。猫をカワイイと言う妻、庭に来る猫を追い出す妻。僕にはとても理解ができない。

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