福井県南条郡南越前町 善導院「未来の種まきプロジェクト」

福井県南条郡南越前町 善導院「未来の種まきプロジェクト」
10月14日(月・祝)、福井県南条郡南越前町にある善導院で開催された「未来の種まきプロジェクト」を視察しました。浄土宗ともいき財団はこの活動に助成しています。
今年、敦賀まで延伸した北陸新幹線に乗って、新駅「越前たけふ駅」で下車し、国道8号線を車で20分ほど海方面に走ったところにある赤萩地区。その集落を見下ろす小高い場所にあるのが善導院です。この日は快晴で、お寺からの素晴らしい景色を楽しむことができました。
善導院の住職夫妻は、令和5年に先代住職から寺を継承し、この地域に移住して新たな生活を始めましたが、自然豊かなこの地域は、農作業が盛んな一方で、子どもたちがその活動に触れる機会が少ないこと、また、高齢化と少子化が進み、地域コミュニティの機能や交流が徐々に失われているということに気づいたそうです。特に小学校では児童数の減少により複式学級となり、子どもの少なさに驚かされる状況でした。
そこで、住職夫妻は地域の魅力を再発見し、子どもたちにその素晴らしさを伝えるための活動を考え、自分たちを受け入れてくれた地域の方々に恩返しをしたいという思いで、この「未来の種まきプロジェクト」を始めました。
このプロジェクトは年間を通して行われ、毎月1回、米作り体験、塩作り体験、そば打ち体験、味噌作り体験、梅干し作り体験といった農作業に触れる活動を行っています。
この日の活動は、米作り体験の一環として、収穫した新米を使った「新米を食べる会」でした。参加者は子ども約20名・大人15名の計30名ほどで、3種類のお米を使ったおにぎりを作り、その違いを食べ比べて味わいました。
活動の中心となっているのは、食養指導士でもある住職の奥様、清水明菜さん。明菜さんは、米粉パンや発酵菜食の料理教室も主宰されているということもあって、リノベーションされた素敵なキッチンで、お手伝いにきてくださった方々と一緒に、土鍋でご飯を炊きながら和気あいあいと準備が進められていました。
おにぎりの準備が整うと、まず本尊様にお供えし、ご住職のお勤めとお話を聞き、みんなで大きな声でお念仏を称えました。その後、明菜さんがスライドを使って、5月の田植えから収穫までの振り返りを行い、参加者は興味深く話に耳を傾けていました。
お天気が良かったので、外にゴザを敷いて、具沢山のお味噌汁と梅作り体験で仕込んだ梅干しをおともに、みんなで一緒に試食を楽しみました。塩作り体験でお世話になった志野製塩所さんのまろやかな塩が絶妙で、大人も子どもも何度もお代わりする姿が印象的でした。皆が笑顔で、自然の中で地元の食材を味わいながら過ごすひとときは、心も体も満たされる時間となりました。
善導院ではInstagramで活動の様子を積極的に発信しており、参加者が口コミで増えているとのことです。今後の広がりにも期待しています。(I)
