福井県大野市 善導寺「テンプルレコード」

福井県大野市 善導寺「テンプルレコード」
12月21日(土)、福井県大野市にある善導寺で行われた「テンプルレコード」を視察しました。浄土宗ともいき財団はこの取り組みに助成をしています。
福井新幹線の福井駅で下車し、単線の越美北線(九頭竜線)に乗って約1時間。越前大野駅から徒歩10分ほどで善導寺に到着します。大野市は福井県の中で最も広い面積を持つ市で、四方を美しい山々に囲まれた自然豊かな盆地です。雲海に浮かぶ「天空の城」として有名な越前大野城が見下ろす町並みは「北陸の小京都」とも呼ばれ、城下町の情緒を色濃く残しています。善導寺はその中心にあり、江戸時代に大野藩主を務めた土井家の菩提寺として知られています。
10を超える寺院が立ち並ぶ寺町通りを歩いていくと、大きな長屋門が印象的な善導寺に到着します。雪国ならではの風景ですが、参拝者が本堂に入れるよう三角形の雪割りが設けられていて、その雪割りの中に立てかけられた「テンプルレコード」の看板がライトの光に浮かび上がる様子は幻想的でした。
「テンプルレコード」は今年度から始まった新しい活動で、年4~5回不定期に開催され、この日は午後5時から9時ごろまで行われました。大野市も全国の地方都市と同様に人口減少や独居高齢者の増加が進んでおり、一人暮らしのお年寄りなどに出かける場所を提供したいという思いから生まれた企画で、本堂で流れるジャズなどの心地よい音楽の中、静かな時間を過ごし、心身をリラックスさせてもらうのが目的です。また、若い世代にはデジタル漬けの生活から離れ、アナログな心地よさを体験をしてもらいたいとのこと。
家庭や職場・学校に次ぐ「サードプレイス」として、心の調律の場になることを目指しています。
活動の中心は副住職の大門哲爾(だいもん てつじ)さん。来年住職になる予定だという大門さんは、大阪で音楽活動をしていた経験を生かし、「唄うお坊さん」として歌と法話を織り交ぜた活動もおこなっています。他にも、地域の方にお寺の可能性を再発見してもらいたい、と「寺子屋」形式の活動も幅広く展開しているそうです。(越前大野おやこ寺子屋)
この日も夕方になると、地元の方々や他地域からの訪問者、さらには台湾からの短期移住家族など、幅広い層の人々が集まり始め、最終的には大人子ども合わせて30人ほどに。口コミで初めて訪れたというご夫婦や、鯖江から来ました、という20代の男性たちなど、参加者の背景は様々で、それぞれ持ち寄ったレコードを順番にかけながら火鉢を囲んで語らう和やかな時間が流れました。大門さん手作りのおでんを味わったり、手土産のとち餅を焼いたりと、まるで昔からの知り合いのようなリラックスした雰囲気に包まれました。
また、この日は冬至でもあり、18:21に訪れる「冬至点」にちなみ、「自分の将来なりたい姿」をイメージする短い瞑想の時間が設けられました。参加者全員が自分に向き合い、自然と周りの人々ともつながる、心豊かなひとときを共有しました。
大門さんは、「法務と活動を両立し、自分が法務で不在でも活動が回る仕組みを作りたい」と語り、周りの仲間とアイディアを交換して、様々なことに挑戦しているとのことです。挑戦的かつ魅力的な発想で地域を元気にしていく善導寺の活動に、今後も期待が高まります。(I)
活動の詳細はInstagram
福井市観光公式サイトでも紹介されています。
