公益財団法人 浄土宗ともいき財団

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2025.10.09
視察レポート

広島県大竹市 西念寺「おがたつどいプロジェクト」

広島県大竹市 西念寺「おがたつどいプロジェクト」

広島県大竹市 西念寺「おがたつどいプロジェクト」

7月24日(木)、地域の老若男女の交流の場としてお寺や境内を提供し、その活性化と各世代の繋がりづくりを目的とする「おがたつどいプロジェクト」が、広島県大竹市にある西念寺(正木宏昇(まさき・こうしょう)住職)で開催した「夏宿題はよう おわらそう会」「カレーの日」を視察しました。浄土宗ともいき財団ではこの活動に助成しています。

山陽新幹線を広島駅で下車し、JR山陽本線で陽光が燦燦と降り注ぐ瀬戸内海沿いを山口・岩国方面へと進み、途中、日本三景として知られる安芸の宮島の美しい島影や海に浮かぶ朱の鳥居を楽しみ、30分程乗車するとお寺の最寄り駅である玖波駅に着きます。

 そこから10分程車で進むと、海を見下す高台の中腹にある西念寺と空に届かんばかりの立派な大楠が見えてきます。

同寺は関ケ原の戦いで広島49万石に封じられた戦国武将・福島正則(ふくしま まさ のり)が、隣接する長州藩の備えのために築城した亀居城の跡地に建立された寺院。同城は支城としては堅城であったことから、築城して3年程であったのにも関わらず幕命で廃城となりました。安芸宮島・光明院の運誉上人(うんよしょうにん)は隠居の場所に寂れ果てた城跡がふさわしいと考え、この地で修行に励み、それに感銘を受けた人々は、藩に寺院建立を願い出、またかねてより運誉上人を尊敬した福島正則は城内にあった圓通寺を移築し新たに西念寺として建立したと伝わります。同地は交通の要衝であり、かつては同寺の真下には海が面しており、幕末、幕府と長州藩が戦った長州征伐では、長州藩の本陣となり、幕府の軍艦が本陣に向け打った砲弾の跡が現在も本堂正面に遺されています。

 お寺の紹介はさておき、境内に入るためにと山門前の階段を登ると、これからお寺にいく子どもたちや、お寺で宿題を終えたであろう子どもたちがいきかい、また「まだ宿題終わってないよ!」「今日は楽しかったね。またね!」といった元気な声が聞こえ、子どもたちがとても楽しみにしているイベントであることが伺えます。

山門をくぐり、境内を見渡すと、本堂や客殿、前庭にはあふれんばかりの子どもたちが夏休みの宿題やお絵かき、かけっこをして友達と遊ぶ姿が目に入ります。

この「夏宿題はようおわらそう会」と「カレーの日」は、新型コロナウイルスが落ち着いた令和5年から始まったもので、地域貢献に関心のあった正木住職が、少子高齢化による地域交流行事の減少、コロナ禍で子どもたちの居場所が学校と家のみになりがちであったこと、高齢者の居場所など地域の多世代向けの交流・居場所づくりを目的に企画。子どもたちには宿題や夏休みのひと時を過ごす場、大人たちには趣味や技能を発揮してもらう場として、多世代交流・サードプレイスとしての場となるよう開催されました。

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当日は9時から15時まで開催。子どもたちは宿題をはじめ、プログラミングロボットカー体験、ジュートバッグワーク、自由工作、DIY、百人一首、将棋、抹茶体験などのワークショップが設けられ、また同時に地域住民にも参加対象を向けた「カレーの日」というお昼の食事会も開かれ、地域の誰もが参加し交流することができるようになっていました。それぞれに設けられたワークショップには会場となった西念寺の檀信徒をはじめ、地域住民がスタッフとして参加。スタッフも元教員の方は宿題スペースに、工作やプログラミング、手芸、絵に心得がある方はそれぞれのスペースを担当されていました。

 

子どもにとってはひと夏の思い出となり、大人たちにとっては趣味や今まで人生で培ってきたスキルを活かせる場となっているのが印象的で、当日は終始人が絶えることなく訪れ、大人子ども約140名が参加。大盛況を収めていました。

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参加した小学生の吉田せりさんに感想を伺うと、「宿題をすることができ、友達ともすごせて楽しかったです。特にジュートバッグづくりが楽しかった。また冬休みも参加したいです」と話してくれました。

またスタッフとして参加された方からは「なかなか地域の子どもと接する機会がないので交流できて嬉しい」「自身の趣味が生かせる機会なのでありがたい。また子どもたちが喜んでくれたり、〝すごい〟と言ってくれると自身の励みにもなります」などの声も聞くことができました。

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正木住職は「持ち寄った『推し』を通じて支援学級の子どもたちや、発達に障がいのある子、学年を超えてさまざまな世代が集まり交流ができる〝お寺の本来の役割〟が実現できて良かった。今後もこの活動を長く続けていくために無理なく、またみんなの意見をしっかりと聴いて取り組んでいきたい」と感想と今後の展望を話してくださいました。

地域課題に取り組む「おがたプロジェクト」の活動に、今後も期待が高まるとともに目が離せません。(W)

西念寺の様子は"まいてら"にも掲載されています くわしくはこちら

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