長野県長野市 香福寺「介護者とはるなつあきふゆったりカフェ」

長野県長野市 香福寺「介護者とはるなつあきふゆったりカフェ」
長野県長野市にある香福寺(滝沢圭隆〈たきざわ・けいりゅう〉住職)で開催されている「介護者とはるなつあきふゆったりカフェ」を視察しました。浄土宗ともいき財団ではこの取り組みに助成しています。
香福寺へは、長野駅から篠ノ井線・篠ノ井駅で下車し、住宅街を歩くこと約10分。千曲川沿いに広がるこの地域は長野市南部の中心として施設も充実しており、暮らしやすい地域です。一方で高齢化や新しい住民の転入もあり、地域コミュニティのあり方が課題となっています。
この活動は、香福寺の寺庭婦人である滝沢久美子さんが友人と二人で始めたものです。久美子さんは福祉関係の仕事に携わっており、介護保険を利用している当事者には支援があるけれど、介護者へのフォローが十分でないと感じていたそうです。そんなとき参加した寺庭婦人会の研修で、介護する側のケア活動の存在を知り、介護者が一歩外に出る機会をつくりたい、また介護を終えた方へのグリーフケアにもつなげたいという思いで始めたとのことです。さらに、介護していない独居の高齢者も、ちょっと外に出て、いつもと違う人とお話しする場として利用するということも意図している、とのことでした。
久美子さんと友人の桜井さんは、ともに調理師免許を持っており、毎回季節のお菓子(写真上右)や、自分たちで採取したどくだみや熊笹などをブレンドしたお茶(写真下左)を手作りで提供しています。また、2019年の台風19号で千曲川が氾濫した際、香福寺も床上浸水の被害を受けました(写真下右:赤い線まで浸水)が、そのとき浄土宗青年会や地域のサッカーチームなど多くの方々に支援を受け、「恩返ししたい」という思いが活動を始めるきっかけの一つにもなったと話してくれました。
香福寺は現在、住職夫妻が働いている関係で平日はお寺を閉じていることも多く、活動の開催は年4回ほど。運営は久美子さんと友人の2名で行い、1回あたり5名の参加を目標に、無理なく長く続けられる形を意識しています。
この日の参加者は午前中に2名、午後に3名。午後に来られた高齢の女性は、新聞などから集めたクロスワードやナンプレを使ったクイズを持ってこられ、皆で一緒に楽しみました。活動は10:00~16:30をカフェタイムとし、14:00~16:00を共有の時間として、介護者が気持ちや経験をわかちあう場に設定しています。3回目の開催となった今回、共有の時間を目的に来た方はいませんでしたが、カフェとして参加者全員とお話しながら交流が行われていました(写真下)。
活動開始当初、浄土宗で介護者カフェの立ち上げ支援があることは知らなかったそうですが、東京の香念寺の下村さんとつながりができ、実際に見学させてもらい、とても参考になったとのことです。ただ、香福寺の活動は規模が小さいため、自分たちにあった形を試行錯誤しながら、これからも続けていきたいと話していました。
今後は、地域包括ケアセンターなどとの連携を進め、必要な人に届く「ほっとできる憩いの場」として、地域に根付いていくことを期待しています。(I)
※浄土宗の介護者カフェとは? くわしくはこちら
